2011年10月11日火曜日

男の娘小説だったの?

 いま思い出したんだけど、昔「エリザベス会館」から出ていた「くい~ん」という女装雑誌に載っていた小説は、ほとんどがいまで言う「男の娘」の物語だった。主人公がみんな「男」のままだったからだ。
 主人公は男性名で登場し、女装したときだけ女性名を名乗っていた。
しかも終始「ボク」で通し、「ボク」の相手もノーマルな男性のうえに両方ともホモでないという設定。さらに普段は友人とか知り合いなのに、女装すると「恋人」になったり「愛人」になるという関係。
 このかなり不自然な設定にひどく違和感を覚えたのは私ひとりだけではなかったろう。作者はまじめな女装小説として書いているつもりなんだろうけど実にツマラナかった。
 当時はまだ「女装子」という呼び方も耳新しくて、どちらかと言えばその
名称には嫌悪感を抱いたクチなので余計にそう思ったのかもしれないが
これをいまの「男の娘」の視点で読み返せば、それなりに納得いくのかもしれない。
 「男の娘」は中心となる概念が「キレイなお兄さん」である。もっと言えば
「外見を女性的な美しさで飾るナルシスト男」である。彼らは別に男である
ことに違和感もなければ、正体を隠そうともしない。むしろ正体をばらして
その落差に見た者が驚く様子を楽しんでいるかのようにさえ見える。
堂々と女装は「趣味」と公言し、自分の女装癖を認めてくれる女性を求めたりする。彼女がいながら男性とも付き合い、「バイですから」と言って
両性とのSEXを楽しむ。こいう存在であれば上の小説の設定はアナガチ
無理ではないのかもしれない。
 というようなことに思い当たった。そうかあれは男の娘が主人公だったんだ。それである程度納得がいった。でも、面白くないことになんら変わりはない。・・・・それにしたって、なんで女装もしないノンケ男が「ボク」とつきあってんだろう?「トラニーチエイサー」ってやつか。でも、スッピンは見たがらないけどなあ。
 ついでにいまひとつ。男の娘と女装子って変わらないじゃんって思った
人に書いておくね。じつはこの状態の両者はほとんど同じ。男の娘はまだ女装経験の浅い状態だと考えられるんだ。だから男の娘=女装初心者って捉えてもそんなに間違いじゃないと思う。それが証拠に男の娘ってみんな若いでしょう。いってみれば「女装子のオタマジャクシ」ってとこかな。
 
 経験って必ずしも年齢と比例しないけど、経験を積むにつれてだんだん自分の「理想とする女装」が変わってきて、やがて立派な女装子になるんだね。

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