九月もはや七日を過ぎる。朝晩の涼風初秋到来を告げたり。
日中もはや蝉振るわず、わずかに法師蝉の声を聴くばかり。
夜に入りて上弦の月、怪しき雲間より時折道を照らす。
すでに半袖一枚にては少しく肌寒さ感じたり。
ゴールデン街の建て込んだ店の灯、陋屋の入り組んだ小路を
一層寂しく照らす。
夜も更ければ人声まばらにして、ときに表通りにて一際大声
を聞くばかり。あとはしんとして足音もなし。
店に残りし女装客と歓談続ければいつか窓外白々と明けて酔客の
笑声など通り過ぎるもやはり蝉声聞くこはとなし。
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